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先日、KMSでは懇意にしている学校法人岩崎学園 情報科学専門学校(以下、学校)の教員の皆様からご相談をいただき、ゲーム開発教育のカリキュラムについて産学連携でのディスカッションを行いました。
学校側は現在、学科を再編し「就職後も活かせるスキルを持つエンジニア育成を目 的とした開発系コース」の新設を構想しています。その狙いは、学生が目指す進路 から逆算して学びの内容を設計すること。エンジニアが活躍する業界は現在では多岐にわたります。そのなかでも、学生に特に人気のゲーム業界への就職を見据え、現場で求められるスキルを身につけられる教育内容を具体的に検討しています。
当日はKMSのエンジニアも参加し、現場の視点からさまざまな意見交換が行われました。この記事では、その議論の中からこれからのゲーム開発を主軸にエンジニア の教育に必要な視点をいくつか紹介します。

学校法人岩崎学園 情報科学専門学校
神奈川県横浜市にある学校法人岩崎学園 情報科学専門学校は、IT・AI・ゲーム・セキュリティなど幅広い分野で実践的な教育を行い、多くのIT人材を輩出してこられた専門学校です。産業界との連携にも積極的に取り組んでおり、KMSにも長年にわたり、優秀な人材を送り出していただいています。
https://isc.iwasaki.ac.jp/
まず議論になったのは、コンソールゲームとスマホゲームで「開発の前提」が大きく異なる点です。コンソールは数年単位で作り込み、完成版としてリリースする買 い切り型が中心です。スマホは数年単位で作り込むことはコンソールと同じです が、リリース後を想定して開発を行う点が異なります。リリースして終わりではなく、リリースしてからがむしろ本番です!
更新を繰り返しながら機能追加・バランス調整・不具合修正を継続する運用型が主 流です。エンジニア視点では、この違いが設計や開発プロセスに影響します。たと えば、後から変更しやすいアーキテクチャ、クライアント/サーバーの分離、データ更新を前提とした実装、リリース後の監視・障害対応まで含めて考える必要があります。カリキュラムの構成で重視すべき要素も自然と変わってくるだろうと、学校側と現場側の双方からの視点で意見交換を行いました。
KMSエンジニア
「スマホゲームは作って終わりではなく、運用し続ける前提の開発です。クライアントとサーバーが連携する構造や、アップデートを前提とした後から変更しやすい設計を理解しておくことが重要になります。」
こうした背景から、Unityなどのゲームエンジンによる開発に加え、サーバー通信やクラウドといったWeb技術、プログラムの設計の理解も重要な要素として今後の 学校側のカリキュラムの構成へ活かせるエンジニアの熱い想いを伝えました。

現在のスマホゲーム開発では、Unityを中心とした開発環境が広く使われています。そのため、学生のうちからUnityを使ったゲーム制作を経験しておくことは、実際にゲーム会社でエンジニアとして働き始めた後のキャッチアップが早く、スピーディに実務に取り掛かれる点で大きな強みになります。
KMSエンジニア
「Unityに慣れている学生は、現場に入ったときのキャッチアップが早いですね。」
岩崎学園 情報科学専門学校 教員の武藤さん
「2Dゲーム開発と3Dゲーム開発のカリキュラムは同様に授業に組み込むべきでしょうか?」
KMSエンジニア
「カリキュラムも年間の時間の上限があると思いますので、3D開発のスキルをベースに学ぶことが良いと思います。2Dゲームにも応用しやすいので、カリキュラムに取り込むことを想定する場合は3D要素が含まれているゲームをベースとしたほうが効率的に学べると思います」
今回のディスカッションでは、もう一つ重要なテーマがありました。
それは、ゲーム業界以外の進路も見据えたスキル教育の実践です。
ゲーム業界は就職先として人気の高い業界ですが、就職するには狭き門。希望する 全ての学生が就職できるわけではありません。そのため、ゲーム業界だけに絞らず に、IT企業や製造業・科学技術など幅広い業界で活かせる基礎スキルを身につけて おくことも重要だという意見が出ました。
例えば次のようなスキルです。
・Gitなどのバージョン管理
・Linux環境の理解
・JavaScriptなどのWeb技術
・データベースの知識
・基本的情報技術者などの資格取得
・クラウドサーバー(Microsoft Azure・AWS等)の基礎知識
・チーム開発の経験

ディスカッションでは授業カリキュラムの議題以外にも、学生の作品制作において企業が重視する視点についてのヒアリングがあり、3年生の卒業制作について今後の改善点を検討する場面も!
企業側が見るポイントとしては、作品(ポートフォリオ)の完成度だけで なく開発プロセスも重要な評価ポイントです。KMSのエンジニアからの意見が あり、今後の卒業制作においては、より実践的な開発プロセスを導入した作品が多くなるかもしれま せん。プロも驚くような作品がこれまでよりも多くなってきそうです!
KMSエンジニア
「ゲームが完成しているかどうかだけではなく、“どう作ったか”を見ています。ゲームの構造(アーキテクチャ)や開発に使用したツール、役割分担など、実際のゲーム開発業務につながる経験は評価されやすいですね。」
岩崎学園 情報科学専門学校 教員の武藤さん
「プロセスが重視されるのは開発フェーズの側面だけですか?ゲーム制作全体の流れでも重視されますか?」
KMSエンジニア
「実際のゲーム開発では、プログラマー、デザイナー、企画など複数の職種が協力してプロジェクトを進めます。 そのため、学生のうちからチーム制作を経験しておくことは、実践的なスキルを身につけるうえでも重要です。」

今回のディスカッションでは、情報科学専門学校の教員の皆様とKMSのエンジニアが 、終始ざっくばらんな雰囲気で意見交換を行いました。
ゲーム開発の技術や環境は日々変化しています。だからこそ、教育現場と開発現場が連携を重ねながら、より実践的な人材育成を考えていくことが重要です。
KMSは「世界中に感動体験を」をミッションに掲げ、サービスだけの感動体験にとどまらず、教育現場との産学連携を実施しています。次世代の技術者育成やスキル向上による感動体験も 世界中に届けられるよう、未来を担うクリエイターの皆さんへ寄り添い、ともに成長できる環境づくりを大切にしていきます。
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